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わたしを離さないで感想 タイトル意味は美和と恭子の関係性!即時解体は泣ける

 

 

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ドラマ「わたしを離さないで」タイトルの意味に関して考察してみました.美和と恭子の共依存的な関係性に着目しています.

 

 

「わたしを離さないで」タイトルの意味とは

はじめはそこまで気にはしていませんでした.

ただ,こういうタイトルのドラマなのだな,と.

 

ですが,物語が進むにつれ,

この話の壮大な世界観に一気にのめりこんでしまいました.

 

登場人物の心の動きや

作者の伝えたい事柄など,

気になることが増えてきたのです.

 

作品をつくる上で,タイトルは非常に重要な意味を持ちますよね.

文章でも芸術作品でも,タイトルを間違えれば伝えたい意味が伝わらなくなってしまうこともありえます.

 

なのでこのタイトルの意味を真に理解することは,

そのままこのドラマを理解することに大いに役立つでしょう.

 

原作者カズオ・イシグロ氏の意図とは

今回,主演の綾瀬はるかさんは,

原作者であるカズオ・イシグロ氏と4時間にも渡る対談を行われているそうです.

 

主演を務める綾瀬さんが「この作品を、この役を、より深いレベルで理解したい」と考えていることを知ったプロデューサーが、イシグロ氏とコンタクトを取ったところ、「ぜひロンドンへいらっしゃい。会って話をしましょう」と返事をもらい、綾瀬さんは急遽、初めてのロンドンへ。以前、イシグロ氏が来日した際に、ごく簡単な挨拶を交わしていた2人だったが、その後、イシグロ氏が綾瀬さんの出演作品を観て彼女に興味を持ったのだという。

 

出典:綾瀬はるか、「わたしを離さないで」原作者と4時間の対談!「役を素直に演じられたら」 | シネマカフェ cinemacafe.net

 

カズオ・イシグロ氏はノーベル賞に近いとも言われており,

その日々は多忙を極めています.

 

そんな中,長時間に渡りお話をされた綾瀬はるかさん.

これは確実に演技にも表現されていますね.

 

タイトルに関して比較的近しいと思われる意見は

既に明かされています.

 

綾瀬さんがこの作品の持つメッセージ性について質問をすると、執筆過程の秘話を明かした上で、「人生は短いということを書きたかった。すべての人は死を迎える。その短い人生の中で避けられない死に直面したときに何が重要なのか、そういうテーマについて書きたいと思った」と話し、それを聞いた綾瀬さんがじっと考え込むような様子も見られた。

 

出典:綾瀬はるか、「わたしを離さないで」原作者と4時間の対談!「役を素直に演じられたら」 | シネマカフェ cinemacafe.net

 

なるほど.

 

人生は短いということ.

これは第7話まで観終えた視聴者であれば

誰もが感じているところでしょう.

 

その短い人生を終えることを真に自覚したとき.

それは提供者として赤紙をもらったときであったり,

体調が悪化したときであったり,

実質的即時解体を宣告されたときであったりするのでしょう.

 

その時に一体何に重きを置くのか.

これがタイトルにそのまま反映されている可能性が高いですね.

 

実際,このインタビューの中では,

「タイトルの意味は何か」

という質問も綾瀬はるかさんからされたようなのですが.

 

ドラマのメイキング番組は既に放送されているのでしょうか...

 

ご存知の方教えてください...

 

ドラマが始まる前からタイトルの意味を知ってしまうのは

どこか味気ない気もするので,

まだ放送されていないことを祈るのみです.

 

第8話の美和のセリフが鍵か

第7話までご覧になった方はご存知かと思います.

次回の予告の場面で出てきましたね.

 

タイトル「わたしを離さないで」

という言葉が.

セリフとしてです.

 

タイトルそのままのセリフがあるということは,

そのシーンの登場人物の心の機微や取り巻く環境などがそのまま

意味を表していると考えて間違いないでしょう.

 

予告を観る限り,

美和は叫びながらこのセリフを口にしていました.

 

もう気になって気になって.

 

【3/7追記】

美和が最後に提供をする際に,

病室から出る間際に恭子へ向けて叫んでいましたね.

 

美和にとっては,恭子こそが宝物であると.

それに気づいたからこそ,宝箱は捨ててしまったということです.

 

思い出のCD「NEVER LET ME GO」のタイトルそのままですね.

 

「わたしを離さないで」という言葉には,提供者として生まれ育ち,

自らの意志に反して絶命しなければならない運命を負った者の悲痛な叫びが込められています.

 

美和が最後につくった粘土の作品も,

昔つくっていたものとは違い,変化した美和の美しい心が現れていたようです.

 

切なすぎました.

美和と恭子の関係性

恐らく,

美和がタイトルのセリフを叫んでいる相手は恭子(綾瀬はるか)でしょう.

 

この2人の関係性はよく考えれば異常とも言えるものです.

 

どのような美和の意地悪な言動に対しても,

天性のやさしさと共感力でどうにか受け止めようとする恭子.

 

それに対して,

執拗とも思えるほどに意地悪を繰り返す美和.

 

どちらも後になってから信頼関係が築けるようになってきましたが,

当時はひどかったですね.

 

多少はありましたが,どこか常に気を張っていなければならない関係性.

共依存的な関係と言えそうです.

 

美和は幼い頃からずっと恭子に憧れていて.

嫉妬していて.

 

それに対して恭子は,感受性は非常に高く賢いものの,

自らの気持ちに深いところでは気づいていなかった様子.

 

どれほど恭子自身が美和のことを必要としていたのかに気づくのは,

美和の介護人をするようになってからでしたね.

 

そしてその事実に気づき始めた恭子に対して,

美和が自らの想いを明かしていく.

 

そうすることで,

遂に2人の関係性がぎくしゃくした薄っぺらいものから,

一気に本当の愛を含んだものへと変貌していきます.

 

この過程が,

第8話以降でさらに深堀され表現されていくのでしょう.

 

美和の実質的即時解体の悲しみ

これは厳しい現実でした.

 

ですが,こうして一気に自分の意志とは異なる形で

強制的に自分の運命が決まっていくとしたら.

 

もしそうだとすれば人がどのような行動をとるのか,

先に述べた作者カズオ・イシグロ氏の表現したいこの作品のテーマを,

まさに表していますね.

 

自分だったらどういう行動をとるか.

つい考え始めるとなかなか終着点はみえません.

 

そう考えると,

美和の成長ぶりには目を見張るものがありますね.

 

周りからすれば理解されがたいような

わがままであまりにも感情的な美和の言動は,

その真のモチベーションを表現するための唯一の手段だったのかもしれません.

 

何せ自らに課せられた運命が

あまりにも重すぎます.

 

そしてそれを当たり前のことのように突き付けられる

周りの人々.

 

真美の演説が思い出されるようですね.

 

「なぜ頭で考えられるように自分たちをつくったのか」

 

臓器提供のために人間を創りだすという発想は現代には普及していませんが,

この物語に触れている時間は,

自分の命の重さをかみしめることができます.

 

人生は短いですが,

いかに自分が恵まれた立場であるのかを,実感できます.

 

まとめ

◆「わたしを離さないで」タイトルの意味は美和のセリフに隠されている?

◆美和の即時解体はあまりにも泣ける

 

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